Y:そういう時は、どんな声のかけ方が最も有効的なんですか。
N:具体的な指示ですね。「頑張れ」とか「次は決めよう」「一本拾っていこう」というような精神論や抽象論は、緊迫した場面ではあまり説得性がないんです。事実、私がアトランタ五輪やその前の最終予選の時のパニクっている場面で、中西(千枝子)さんからもらった具体的なアドバイスによって、何度か我に返りました。中西さんは「今はこういう風になっているから、こう切り込んできて」とか具体的に言ってくれたので、すごく楽になれたんです。だから私も、最終予選やオリンピックなど、初めて大舞台に立つ人には、「あなたがこんな風に攻めると、相手ブロックはこうつくから、こうやってかわした方がいいよ」とか、より具体的にアドバイスしてあげたいですね。今の全日本にはトモさん(吉原)がいるので心配はないのですが、私もオリンピック経験者として、トモさんの言葉をさらに裏付けできればいいんじゃないですかね。とにかく、言葉では説明し難いんですが、オリンピックというのは別物なんです。ワールドカップも4年に一度の大きな国際舞台だけど、オリンピックはその延長線上にはない。コートの中でメンバー12人が、自分の最大限のパフォーマンスを発揮できるようリードするのが、私のチーム内の役割だ思っています。
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