Y:実際に今日の練習でも、監督に怒鳴られて固まってしまいそうだった大山選手を、うまくリードしていました。
N:加奈の気持ちはよくわかるんですけどね。私も実際、通って来た道だから。でも、そこで歩みを止めてしまったら成長しなくなってしまうんですよ。身体が辛くて、もう前に進めないと思っていても、気持ちだけでも前に向かわないと自分の殻を破ることができない。加奈ちゃんにはここで止まって欲しくないし、もっともっと伸びて欲しいから背中を押した。若い時って、辛くなると「もう嫌だ」と身体より先に気持ちが止まってしまう。そういう時には、意外と周りの後押しに勇気づけられることもあるんですよ。いろんな人たちからメグ(栗原)や加奈にブロックアウトを取る技術を教えてあげてはどうですかと言われるんですけど、それより先に、彼女たちがまず、どういうプレイをしたいかですよね。でも、首根っこを捕まえて「さあ、やれ」ということはしなくない。ここは、選手個々がプライドを持って集まった全日本ですからね。教えて欲しいと来ればいつでも伝授する用意はできています。でも、ブロックアウトがどうのこうのではなく、まずブロックを見る、ということを覚えて欲しいですね。特にレフトは、ブロックが3枚つくこともあるポジションだから。ワールドカップでも、バコンと止められてしまう場面が多かったじゃないですか。あれは、ブロックアウトを取る以前の問題で、相手ブロックをしっかり見ていないということなんですよ。ブロックを見て自分で何とかする。ブロックアウトなのか、クロスなのか、ストレートなのか、それともフェイントで逃げるのか。相手をしっかり見ていればバコンと止められることは少なくなるんです。
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