Y:そんな時期に久光製薬から勧誘があったんですね。
N:お話をいただいた時には嬉しかったけど、悩みました。結婚して、体重も増えていたし(笑)、果たして現役の時の動きができるのかなと不安でした。でも、このチャンスを逃したら、もう二度とバレー界に戻ることはできないと自分でもわかっていたので、決心しました。夫も賛成してくれたし。でも、コートに立つ前に体重を落すのが大変だった(笑)。久光に新しく加入した若い選手たちに混じって毎日ランニング。Vリーグが始まるまでに8kg減らしました。まあ、そもそも酒太りだったので、量を減らせば減量はそれほど難しいことではなかったですけどね。夫も私も飲兵衛ですから(笑)。久光にはリベロのつもりで入ったんですけど、練習をこなしているうちにエースポジションに据えられた。まあ、レフトはずっとやっていたのでそれほど抵抗はありませんでしたけど。ただ、長いブランクがあるので、感覚が戻るかどうか心配だったんです。でも、自分でも意外だったのは、苦手だったプレイがすんなりできたことでした。例えば、左サイドのレシーブがこれまでは苦手だったのに、難なく拾えるようになっていたんです。自分でも驚きでした。多分、子供達にコーチをした時の経験が役立っているんだと思いますね。子供達には噛み砕いて教えなければならないので、感覚を言葉にする勉強をしたんですよ。その経験がプレイにつながってきたんだと思います。もちろん、現役中にでできていたことが、長いブランクでまだ取り戻せていないということもありますけど、その逆があったのは嬉しい誤算でした。
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