Y:ミスター・アマチュアと称されて久しい日本生命の杉浦正則さんに、五輪予選のメンバーがプロ選手のみで招集されたことについて、宮本さん個人が「仁義」を切っている。そんな心配りがにくい。
M:杉浦さんに対してというより、経緯がどうであれ、僕らプロがアマチュアの人たちから五輪の舞台を奪った形にもなるので、アマチュア関係者の人たちに納得してもらえるようにしたかった。特に杉浦さんはオリンピックの魅力に取りつかれて、アマチュア界に残った投手ですからね。だから僕にとってオリンピック予選を戦うというのは、日本のため、プロ野球界のためという想いもありましたけど、もうひとつ、アマチュア界の人たちのためにという気持ちも強かったですね。杉浦さんに電話したのは、そういう「挨拶」もあったんですけど、僕自身追い込まれていたので、助言を頂きたかったという側面も実はあった。杉浦さんは同志社大学の先輩でもあるんですけど、五輪にはバルセロナ以来3大会に出場している実力者。杉浦さんには「自分で思ったことを皆に伝えた方がいい。その上で全力でやれ」と言っていただいた。今回、初めて言いますけど、実はその前には古田さんにも電話を入れているんです。壮行試合に負けてしまって、今度どうチームをまとめていったらいいのか悩んでいました。古田さんに「どうしましょう。まずい状態です」と言ったら「ここまで来たら腹を据えてやるしかない。命を取られるわけではないから、自分の思った通りにやれ」とアドバイスされた。この時に僕は初めて、開き直れたんです。結果はどうなるかわからないけど、とにかく大会期間中に一滴の後悔も残さないように、徹底して取り組もうと。僕にはこういう頼もしき先輩達がいるので、いざという時には本当に助けられています。
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