Y:宮本選手と言えば守備の名人。昨シーズンは140試合に出場し、656守備機会のうち失策は僅か8という信じられない数字を残しています。5年連続でゴールデングラブ賞も受賞されている。ショートとしてのその正確さはどこから来るのでしょう。
M:試合前の準備ですかね。経験を重ねるといろんな選択肢が増えてくる。それを忘れずにひとつひとつ頭の中に入れていって、試合の前にすべてチェックすることです。例えば、芝をチェックするとか、道具を再点検するとか、身体のどこかに違和感があったら、十分にストレッチをするとか、いろんな準備があると思うんですよ。自分の中で意識していることはすべてやり遂げてからグラウンドに立つ、ということです。例えば、1死ランナー一塁のシーンだと、若い時には考えられなかったたくさんの選択肢が頭に浮かぶ。ランナーが走塁してくることを想定すると左足でブロックすれば刺せるかもしれない。でもランナーのスパイクで僕自身が怪我をする場合だって考えられますよね。だから僕は足にサッカーの脛当てをつけているんです。まあ、脛当てを付け出したのは、たまたま同じショートのロッテの小坂選手が、ランナーに突っ込まれて左足を骨折したのをニュースで知ったんです。僕にだってその危険性はある。で、どうしたらいいかと考えた時に、たまたまサッカーの試合をテレビで見ていて、脛当てを思いついたんです。だから、自分のプレイを向上させるためのヒントというのは、いたるところに転がっていると思うんですね。イチロー君も「打席に入る前にすべてを準備する」と言っていますが、僕もまだまだ準備できることはあると思いますね。今も十分できているとは考えていないし、それがもっと細部に渡ってできるようになると、失策は限りなくゼロに近くなるんだと思います。
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