Y:例えば若い選手に、具体的にどんなことを注意しているのですか。
M:高校や大学を卒業してすぐにプロの世界に入ると、社会の常識を学ぶ機会が少ない。僕は一応、同志社大学を卒業してからプリンスホテルという社会人を経験していますので、そのときに社会常識とかルール、礼節というものを学びました。若い選手が活躍し出すと周りがちやほやする。そこで勘違いしないように、いい時にこそ謙虚になった方がいいと思いますので、結構厳しく言いますね。礼儀とか挨拶にもうるさいと思う。お風呂に入った時にスリッパが乱れていたら直す癖をつけるとか。だって整然としていた方が、履く時に気持ち良いじゃないですか。他人への感謝の気持ちも忘れて欲しくない。たとえば投手が、野手の良いプレイに助けてもらった時は「ありがとうございます」と一言いえば、野手はまた「しっかり守ろう」という気になりますし、その反対に投手がいいピッチングをしているのに点数が取れなかった場合は「悪い。次は絶対に打つ」という気持ちになる。「ありがとう」という小さな言葉でチームの信頼関係が構築されるんです。それは何もプロ野球の世界だけでなく、社会人になっても役立つことだと思いますからね。
[戻る|次へ]
[戻る|0.TOP]
(C)2004 Fuji Television.