Y:思考が細部に渡っている。データというよりイメージで捕らえているんですか。右脳が発達しているんですかね。
F:いや、僕は左ですね。左脳系の人間です。打ったりする瞬間は右脳が働いている可能性はありますけど、僕は基本はすべて準備だと思っていますから。そこがサッカーと違うところだし、野球は流れのスポーツじゃないですからね。野球は1球1球の間に時間があるじゃないですか、ご丁寧に(笑)。まあ、その間15秒だとすると、実力が互角で闘っているとしたら、その15秒間にちゃんと準備ができていた方が勝つと僕は信じていますね。それは試合前も同じです。試合前にどれだけ準備をして臨むかで、勝敗の行方を大きく左右するんじゃないですかね。試合も1球1球に間がある。そのための準備です。僕らは1球1球攻めるという仕事をしているけど、まあ、外野手が1球1球考えているとは思いませんけど(笑)、少なくともピッチャー、キャッチャーは考えていますからね。どうせ考えるならちゃんとした答を導き出したいじゃないですか。でも、その15秒間でえらく迷うんです。頭の中に三つぐらいアイディアが湧いてきて、15秒間で答を出さなくてはならない。もしAで行ってカーンと打たれてしまったら「Bだったのかな」「Cだったのかな」と思う。そこで反省もしなくてはいけないし、また次のアイディアも選択しなくてはならない。でも、そういうのをたくさん経験すると「今はこっちを考えるべき、今は反省するべき」と判断できるようになってくるんです。
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