F:僕が入団した15年前は、太洋(現横浜)と最下位を争っているようなチームだった。でもそれ以降、5度リーグ優勝しているし、4度日本一にもなった。もし、こんな経験がなかったら、僕の言葉にも信憑性がないだろうし、ただの強がりに聞こえちゃうかもしれませんけど、結果を残してきていますからね。それに勝つための策は僕自身持っているつもり。でも、策はあってもそれに伴うものが多少ないとね。変わらなきゃならない人たちが変わってくれないと、勝負はできない。
Y:例えば、誰がどんなふうに変わればいいんですか。
F:総体論でしか言えないけど、例えばピッチャー。一軍の枠は12人あるとすれば、その枠を18人ぐらいで争っている。でも、12人に入ったからいいというのではなく、12人目のボーダーラインが例えば8だとしたら、そのラインを9に引き上げなくてはならない。つまり全体の質が上がった12人にならなくては意味がないんです。チーム内の生存競争に勝ってもしょうがないわけで、よそのチームに勝たないと始まらない。トップの選手たちは放っておいてもドンドン上にいくでしょうから、中堅グループがグッと上がるしかないんですよ。この中で高い競争が生まれるとチームも引き締まってレベルアップする。その時に、もっと上に行くためには「君はもっとこうした方がいいんじゃない。こんなふうに変えたほうがいいんじゃないの」という話はよくしますね。後は、チームの方針を正しく伝えることですね。方針という大仰なことでなくとも、「キャッチャーはこういうことを考えて打者を抑えようとしているのだ」ということを伝えていかないと、正しい努力はできない。無駄な汗をかかせることになってしまうんです。
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