F:まあ、そんなことを投手陣には説明することが多いですね。「君にとってはこうじゃないの?」という助言はしますけど、後は本人の考え方と努力次第ですから。一方で、「そういうピッチングは僕には合わない」と言われたら、別に無理強いすることでもないですし。
Y:古田さんのアドバイスを拒否する選手もいるんですか。
F:もちろん、いますよ。でも移籍してきた選手とか後がないと思っている選手は僕の言うことに耳を傾けてくれますね。やはり変わらなくてはいけないという意識が自分の中であるんだと思います。前のチームであまり成功せずに移籍して来るわけですから、何かが足りない。一生懸命やっているんだけど、結果が伴わない。どうすれば良いのかな、と悩んでいる訳ですから。彼らの球を受けながら、「こっちの方法で攻めた方がいいんじゃないかな」「こういうのを武器にした方が三振を取る確立が高いんじゃないか」と相談しつつ、詰めていくんです。
Y:例えば、以前に巨人を解雇されテスト入団した入来選手にシュートを投げるアドバイスをし、2001年に10勝させました。彼は巨人時代にシュートを使えなかったのではなく、使わなかったのだと。再生させた例はいくらでも挙げられますけど、古田選手はベテラン選手に対しても固定観念がないんですね。
F:あまり持たないですね。なぜかと言うと、人間が進歩したり成長する過程には、必ず変化があるんです。変わるチャンスとか変わる方法とかは結構難しいところがあるんですけど、固定観念とか先入観を持っていると選手の変わるチャンス、あるいは弾ける瞬間を見逃してしまうことにもなりかねない。例えば、試合にしたってそうです。巨人や阪神のメンバーの名前を見れば、強打者ばかりでビビってしまうではないですか。でも僕は「そうはいっても、ウチにも勝つチャンスはある」と確信しているんです。でも、これは経験から生まれたものが大きいですね。
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