Y:確かに環境さえ整えば、清水選手は五輪の金メダリストだし、未だに世界記録保持者でもあるわけで、その勝つためのノウハウを選手たちにダイレクトに注入した方が、日本人選手たちの底上げになるかもしれませんね。
S:僕もいつまでも現役生活を続けていられるわけではないので、現役でいる間に一緒に練習をやりながら、僕が掴んできたものを伝えて行きたいんです。一人1000万円もあれば、勝てる選手を育てられますよ。もちろん、彼らに豊かな生活をさせたいと思えばもっとかかるかもしれないですけど、一流アスリートにするだけだったら、合宿費用、活動費、遠征費、道具代などすべてひっくるめてまかなえると思います。プロチームを作りたいですね。それがナショナルチームになったら最高です。子供たちに夢を与えられるじゃないですか。「あそこのチームに入りたい」というような具体的な夢があれば、スケートを始める子供たちももっと増えるだろうし、意識だって高まるじゃないですか。このところスピードスケートの環境を見るにつけ、ますますこの気持ちが強くなって来ましたけど、現実の厳しさに打ちひしがれています(笑)。大体、スポンサー活動をする時間もないし、試合では必ず結果を求められているので、理想と現実のハザマでゆらゆらしている状態ですかね。でも、日本人選手たちの先細りを看過するわけには行かないので、若い選手たちとは良くコミュニケーションを取るようにしています。アドバイスを求められたら応えるようにしているし、小林のように「一緒にトレーニングさせてください」と自ら名乗り出たものに対しては、可能な限り支援していく。今は、そんなところから一歩ずつやっていくしかないと思っています。あ、でも、人のことを考える前にまず、自分で結果を出せよ、と言われそうだけど(笑)。
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