Y:小林選手が今ｼｰｽﾞﾝ、ﾎﾟﾝと伸びた理由はなんだったんですかね。
S:簡単に言うなら、自分をより以上に知ったということじゃないんですかね。例えば、今まで自分で限界だと信じていたところが、僕とﾄﾚｰﾆﾝｸﾞすることによってその領域が上がったんだと思いますよ。追い込んでいた時期に、げえげえ吐きながらも僕についてきて｢僕は今までここで止めていた｣と気がついたみたいですからね。そして｢なんだ、もっとやれたじゃん｣ってわかった。人間にはまだまだ引き出していない能力がいっぱいあるので、小林にはその辺に気がついて欲しいんですよ。でも、僕と一緒に練習することによって、僕と同じｽﾀｲﾙになって欲しいとはまったく思いませんね。僕のｱﾄﾞﾊﾞｲｽはきっかけでしかないので、小林には小林のｽﾀｲﾙを見つけて欲しいんです。それぞれにｽﾀｲﾙを確立したｱｽﾘｰﾄが、お互いに啓蒙し合って行くというのが理想じゃないですか。僕が、小林に刺激されている部分も多いですよ。彼の直向きさに接するたびに、僕も初心に返ろうと思わされますから。｢お前、ｽﾀｰﾄはどうしているの?｣と、僕が聞いちゃうこともあるし。
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