Y:身体がまだ完璧に回復していないのに、世界スプリントの総合優勝を狙おうとしているのですか。
S:身体が万全の状態でなくとも、潜在能力やこれまでの経験を全部引き出せば、不可能ではないと思っているんです。まあ、自分に対する実験でもあるんですけどね。ですから今シーズンは、シーズンのピークパフォーマンスを世界スプリントに持って行けるよう、これまでの試合は調整レースでした。調整レースと言ったら誤解されるかもしれないけど、手を抜いているとかそういうことじゃなくて、大会ごとに優勝できるレベルを設定し、すべての能力を出し切らずに勝つようにしたということでしょうか。だから氷上の練習ではマックスの滑りをほとんどしていません。マックスの滑りをすると筋肉が破壊され、その回復に時間がかかるので、身体を温存しておきたかった。生意気ですけど、本番の試合が練習でした。だから、スタートの時は新人選手のようにいつもオロオロしていましたよ。なにせ毎試合、ぶっつけ本番でしたから。でも、世界スプリントに照準を合わせ、日程を逆算すると、あまりにも試合数が多くて、マックスの力を出し続けると、筋肉のリバウンドもあるし、バランスとかも崩れてしまう。今の身体状況を考えると、世界スプリントで勝つには、こういう試合をせざるを得なかった。
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