Y:それにしても今季は、身体がひと回りもふた回りも大きくなった。1000mに耐えうる身体を作るためのトレーニングを重点的にしたんじゃないですか。
S:自分ではそれほどやったという感じではないですね。もちろん、ポイント、ポイントでは追い込みましたけど、ソルトレイク五輪前のオフシーズンのトレーニングに比べたら、まだまだ少ない方ですね。でも、仕方ないんです。まだ神経根ブロック注射の失敗の後遺症から回復していない部分があって、ソルトレイク五輪の前の身体に戻っていないんです。筋肉の状態とか痛めた神経が回復していない部分がある。左足の太股を動かそうとしても、動かせない箇所があるんです。筋肉の問題というより、神経がまだ伝達していないんだと思いますね。その反動で右足もスタート時にまだ踏ん張れない。精神的な後遺症もあって、まだ痛みに対する恐怖心も抜け切れないんです。スタートの時に、また激痛が走るんじゃないかという恐怖心が精神的なブレーキとなって、思い描くようなスタートがまだ出来ない。脳が無意識にブレーキをかけてしまっているんですよ。だから今シーズンは、試合を重ねることによって痛みに対する恐怖心を取り除くことと、身体の状態をある程度まで回復させるシーズンだと捕らえています。その上で、来シーズンはワンステップ、ツーステップ上げて行き、2006年のトリノ五輪までに、最高の状態に持って行こうかな、と思っています。
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