Y:現在、信州大学で教鞭を取り、その当時は筑波大学の講師をしていた結城匡啓コーチの存在も大きかったんじゃないですか。
S:そうです。父が結城さんが筑波大学にいるというのを調べて、大学は筑波がいいんじゃないかと勧めたくらいですから。結城さんもスケートの選手だったじゃないですか。引退後は筑波で学究の道に進んでいらしたから、スケートに関する理論というか知識はぴか一。話していて、頭がいいというのはこういう人をいうんだろうな、と思いましたもん。入学してすぐぐらいに、滑り方を根本から直されましたよ。このままだと国内で勝てても、世界では難しいって。ただし、滑り方を矯正して結果が出るのは2、3年先とも言われましたけど、私は納得できたので結城さんの指導に従いました。今、少しずつ結果がついてきているのは、あの時に思い切って、自分のスケートをリ・スタートさせたことも理由のひとつにあると思います。結城さんには今でもコーチとして指導していただいています。
Y:大学では何を専攻したのですか。
S:体育専門学群で運動力学を専攻しました。卒論は「女子1000mのレースペースとピッチの関係」です。世界の一流選手たちの滑りを研究したんですけど、自分の滑りのスピードも解析しました。ただし、自分の滑りは、一流とはとても言い難いので、おまけ程度ですけど。でも、色々勉強にはなりましたよ。自分と世界の一流選手との違いがわかりましたから。スピードスケートというのは、感覚がもの凄く大事な競技なので、もともとデータ化しづらかったんです。まあ、二次元的な解析でしたけど、最も効率のいい滑りはこういうペース配分、というのが解りました。ただ、それを自分の滑りにすぐにフィードバックできるかと言ったら、これがまた難しい(笑)。滑りながら、データ的にはこうだよな、と思い描くんですけど、現実は「身体が持たないーっ」となっちゃう(笑)。
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