YOSHII:山本さんとバレーが一体になった瞬間だったんでしょうね。本物のアスリートとして目覚めた瞬間といってもいいですけど。あるいはスーパーエースとして自覚した瞬間。
YAMAMOTO:悔しかったんですよ、ずっと。「やる気がない」とか「闘志が見えない」と言われ続けて…。一番悔しかったのは一年目。肩を故障してグラチャンの1週間前に何とか直して出場したんですけど、やっぱり全然何もできずに終わってしまって、クソミソに言われました。一年目だからショックだった。その後も、僕が50%の決定率を決めても負ければ批判されるし、調子が悪くて20%でも勝てば何も言われない。その辺が自分の中で納得しきれないものとしてずっと引っかかっていたんです。バレーに対して未消化な部分が残っていたので、多分、それまではバレーと一体化できていなかったんだと思いますね。だから、ブルガリア戦でそんなモヤモヤにけじめをつけたかった。まあ、自分自身にけじめをつけたかったということなんですけどね。ブルガリア戦で手にしたのは、自信。いや、バレーのスキルに対する自信じゃないですよ(笑)。バレーをやっていくことに対して、自分に対する自信です。そしてやっぱり、オリンピックに出たい。オリンピックの出場権を獲得しなければ、自分のパフォーマンスが上がっても、絶対に世間は認めてくれないと思うんです。だから、もし僕の中で意識の変化があるとしたら、五輪が近づいてくるにつれ、現実論としてとらえられるようになったからかもしれない。
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