Y:本山選手といえば、ロケットスタート。百分の一秒ぐらいの間の判断と行動はどうなっているんでしょう。
M:技術的な部分で言えば、アクセルの踏み方クラッチの外し方のタイミングなんだけど、これは練習をすれば誰でも巧くなると思う。大事なのは、緊張が最高潮に達したスタートの瞬間に、冷静な判断ができるかどうかだよね。シグナルを目で判断し、脳から指令として出されたインパルス(電子信号)がいかに正確に手や足に伝わって動かすかなんだけど、緊張するとインパルスが乱れちゃうじゃないですか。だからエンジンをストールさせてしまったり、スタートがワンテンポ遅れることになってしまうわけだから。スタートの手順は、レッドライトが点灯してから、通常3秒〜5秒以内に消灯してレーススタートと決められている。でもそのタイミングはコースによって微妙に違う。その瞬間を捕らえるのは、ドライバーの感性が左右するんじゃないかな。でもね、ドライバーがギリギリまで集中し、針の穴を通すような正確な判断力をつけても、フライングかどうか判断するのはオフィシャルなんですよ。つまり、人間の目。僕も2回ほどフライングを取られたことがあったけど、絶対僕の判断の方が正しいと信じている。ドライバーって、時速250kmぐらいのレースを何百回とこなしているわけだから、時間の流れを一般の人よりもより緻密に感じられると思う。動物に近くなっていると言ってもいい。だから、フライングかどうかの判定は人の目ではなく、F1と同じようにコンピュータを導入し、ミクロの世界で判断して欲しいと思いますね。
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