Y:国内にライバルがいなくなるとモチベーションを保つのに苦労しませんか。先日のMINEもそうだけど、自分にあえて負荷をかけて、あるいはマイナス部分を作って、その上で勝とうとしているようにも見えます。
M:本能的に、そうなっているのかな。普通にやっていれば勝つ、というのも実は面白くないんですよね。例えば僕はロケットスタートが自慢なんですけど、シリーズ中盤辺りから結構出遅れることが多くなったんですよ。でも、結果的に出遅れた方がレースは面白くなるし、観客も喜んでくれる。何周でトップに返り咲くかというワクワク感があるだろうし、僕自身も高い緊張感が味わえる。もちろん、だからといってスタートで手を抜くなんてあり得ないですよ。でも、スタートで出遅れてもどうせ取り戻すことができる、とどこか潜在意識で感じているところがあるのかもしれない。チームメイトなのでライバルとは言えないかもしれないけど、ブノワの存在は面白い。F3のチャンピオンで今年からフォーミュラ・ニッポンに上がってきたフランス人だけど、彼があそこまで速くなかったら、僕にとっても今シーズンはモチベーションが多少、落ちていたかもしれませんね。彼は充分に、緊迫感とか緊張感を与えてくれています(笑)。
[戻る|次へ]

[戻る|0.TOP]

(C)2004 Fuji Television.