目に映る景色は韓国のどこにでもある田舎…鳥の声が聞こえるだけ。しかし世界のどこでも味わえないような緊張した空気が漂っている。北朝鮮までわずか100メートル。
しばらく歩くと警備兵が突然、指をさしていった。「あの池はもう北朝鮮です」
池の手前の新緑の草むらを見ると古びた小さな「標識」が立っていた。高さは50センチ程度。文字はかすれていたが肉眼でも読める。
「軍事境界線」…今から半世紀前にここに打ち込まれたものだ。標識まで数十メートル、その向こうはまさに北朝鮮。遮るものはなにもない。
若い兵士が軍人口調でこう言った。
「北朝鮮軍もパトロールしています。遭遇してしまった場合の撤退方法は…」
「軍事境界線」をあとに、車に戻り10分ほど走ると水田が、そしてまもなく「忘れられた村」が見えてきた。ミンジの故郷・テソンドンだ。
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