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ジャンクOB通信
しかし、長らく現場で番組制作に携わった経験からこれには大いに疑問を持ちます。確かに、ネット上で自由に動画を閲覧する等という行為を想定していなかった10年前の番組を遡って権利処理することは大変だと思います。しかし、これから制作する番組をネットも含めたオールメディア・ワールドワイドで権利処理を済ませることはさして大変な作業とも思えません。
では、何故、日本ではこうした権利処理が未だ行われないのか?
私見ですが、ネット企業に経営権を脅かされた経験を持つTV局の経営者は、ネット企業と協調していかなければソフト産業の未来はないと頭では理解しているものの、生理的な嫌悪感がどうしても先に立ってしまいネット産業を競合メディアと位置づけてしまう傾向を持っている事実が大きく影響していると見ています。
この点、アメリカではこうした風潮を同じように経験したものの、すでにTV局とネット企業の協調関係が日本よりはるかに進んでいるようです。
新規制作番組に関して言えば既にオールメディア・ワールドワイドの権利処理がスタンダード化していると聞きます。
番組制作者としては苦労して作った企画が、地上波の放送一回のみならず、広くあまねく視聴できる環境を整えてもらったほうが実はありがたいのです。
私は、"コンテンツ流通先進国"のアメリカで何が起きたのか?何がこれから起きるのか?をじっくり研究してくるつもりです。
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