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プレミアムステージ特別企画
犬神家の一族

■インタビュー■
星 護 〜監督〜

Q.三田佳子さんは稲垣さんをはじめ、現場の若い役者さんにも影響を与えたようですね?
A.初めてお仕事させて頂きました。キャリアもあり名声もある方なので、最初おっかなびっくり接していたのですが、向こうから気さくに話しかけてくれて逆にリラックスさせて頂いたような気がします。仕事に対して大変理想の高い方で、あくまでも"いいお芝居をする、いい作品を共につくろうとする心"にあふれていて、そのクリエイティブさは嬉しい発見でした。細かいちょっとした間とか、立ち位置、表情…そういうものをご自身が非常に集中して心から考えてくれる。しかも、すべて我々と話しあって下さって、実際にやって見せてもくれる。年下の監督だろうと構わずに耳を傾けてくれるし、逆にいろいろ聞いてきてくれる。「どうだった?どうだった?」と。
一番、感心した瞬間があります。クライマックスのあたりに、松子が父佐兵衛の亡霊を見るというシーンがあります。そのときの驚きの表情、後ずさりして背後のふすまに背中をぶつける動作を、ご自分の芝居を作るために10回20回30回…と何度も繰り返されている。「すごい人だ!」と思いました。三田さんのひたむきな献身にこたえられる作品になっていることを祈るばかりです…。

Q.加藤あいさんもベテランの役者さんの中に入っての奮闘ぶりが印象的でしたが?
A.一緒にお仕事をするのは初めてだったのですが、お芝居はもちろんのこと、どのアングル、どういうシチュエーションでも、とにかく文句なく美しい!絵になりました。お話をしても実に気さくで気持ちのいいお嬢さんで、現場では常に笑い声の中心にいました。監督にとって現場が楽しいというのはとても嬉しいものなので、その意味でもありがたく思っています。

Q.若き日のストーリーを作る上で考えたことは?
A.横溝の別な原作の中にほんのわずか触れられているだけの記述なんですね。20歳のころアメリカに渡った金田一は放浪を続けるなか、薬物中毒になり、周囲からも疎まれていた。しかし、日系人社会で起きたある奇怪な事件を見事な推理で解決して探偵の道を歩み始めた…単純にその記述に非常に興味を持ちました。是非、映像化したいと思いました。

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