犬神家の一族

ﾌﾟﾚﾐｱﾑｽﾃｰｼﾞ特別企画
犬神家の一族

■ｲﾝﾀﾋﾞｭｰ■
稲田秀樹～ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ～

Q.ｱﾅｻﾞｰｽﾄｰﾘｰ"誰も知らない金田一耕助"は?
A.苦労しました｡一番苦労した｡稲垣金田一の…誕生に引っ掛けて､それこそ金田一耕助…誕生の秘話みたいなものを盛り込めないかという軽いﾉﾘだったんですが…甘かった(笑)｡全然､うまくいかなくて｡
実は金田一ｼﾘｰｽﾞの原作の中には､世間的にはあまり知られていないんですが､金田一の過去についての記述が随所にあるんですね｡それが実に面白い｡金田一って本当にこんな人だったの?､探偵になるきっかけってこんなだったの? と驚いてしまいました｡
ただ､肝心の｢初めての事件｣のﾈﾀだけは残念ながら原作には描かれていなかった｡どういう事件が起こって､どんなﾄﾘｯｸがあって､どう解決したか…その部分は僕らが考えるしかなかったんです｡これは大変なﾌﾟﾚｯｼｬｰです｡何せ､もとが偉大な横溝作品なので｡｢横溝先生だったらどう考えるかな｣とみんなでにわか推理小説ﾌｧﾝになって…日々､頭を悩ませながら､まあそれこそ何度も書き直しました｡
結果､何とか形になったと思います｡金田一ってこんな人なんですよとわかった上で､その代表作を見て頂く…ちょっと今までと違う『犬神』に見える気がしています｡一応､横溝家の方にもちゃんと監修して頂いて､お墨付きを頂いてます｡皆さんのご期待にこたえられるかどうか乞うご期待! という感じです｡

Q.他にｾｰﾙｽﾎﾟｲﾝﾄがあれば?
A.今回､横溝正史役を劇中に本邦初登場させます｡これは､原作の中でもY氏(横溝)と金田一のやりとりとして何作か描かれているところから考えました｡僕なりに文献とか読んで､その人となりをｲﾒｰｼﾞし､ｷｬｽﾃｨﾝｸﾞしました｡先生の息子さんもどこかで書れていましたが､人間の持つ優しい部分､気弱な部分､狂気の部分とか､すべてをあわせ持ち､それぞれが全部強い｡その矛盾ががたくさんの作品を生み出す原動力になったのでは､と思います｡柔らかさの中にｱｰﾃｨｽﾄ独特の怖さを表現できる人はいないかなと｡それが小日向さんでした｡とても満足しています｡稲垣金田一ｼﾘｰｽﾞとして､できれば継続していきたいですね｡
横溝ﾌｧﾝはすごくﾏﾆｱｯｸな方がたくさんいるので､そういう方々にも十分満足してもらえたらいいなと｡ﾏﾆｱならにんまりする…そういうところも割と入れてみたつもりです｡わかる人にはわかる! みたいな感じで｡

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