100%分かるということは、手に取るように気象を把握しているということで、雲の形や空の青さまで将来に渡り予測可能です。凄いけど、なんかちょっとおもしろくないですよね。とても便利ですけど、情緒もなく、東京から富士山が見えたり、夜空の天の川が見られても、それは予定通りですから感動がないのかもしれません。だったら100%にならない方が良いと思いませんか?現実的には100%にしたくてもそれは残念ながら不可能です。科学がどんなに発達しようとも100%は達成出来ません。その理由は、大気の状態を調べる気象観測が100%にするには網が粗いからです。
天気予報のためには、まず今の大気の状態を知ることが不可欠です。気象観測をする気象台や測候所は、エリアの広い北海道を除くと1県当たり1カ所から3カ所です。さらに数百メートル上空、数千メートル上空の大気の状態を観測している地点というと日本国内で17地点しかない。これでも日本は多い方で、国によってはもっと観測網が粗く、さらに海の上の観測は陸上のようにはいきません。大気は、国境がなく地球規模で動きますから世界中の観測網が細かくないと大気の状態は完全に把握出来ません。また、100%当てるとなると、大気に与えるちょっとしたプレッシャーも見逃せなくなりますので、単に大気だけの観測では100%当たる天気予報は不可能です。地中の水分量や温度、工場から生まれる熱や自動車・家庭からの熱も見逃せません。100%当たる天気予報をめざすためには、私たち1人1人の頭の上の大気の状態を観測する必要があるのです。
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