さらにコンピューターの計算スピードの向上も欠かせません。今、頭上にある大気が1秒後どうなるのか、1分後どうなるのか、10分後どうなるか、というのを重ねて1時間後、1日後、1週間後、1か月後と計算します。観測を細かくして観測地点が増えれば、計算する数も増えますからコンピューターの計算時間がかかってしまいます。また山岳などの地形も精密にインプットされたコンピューターで計算したいところですが、これも時間がかかります。100%当たる天気予報をめざすなら、大気の状態を網の目を細かくした観測網で把握してコンピューター計算したいところですが、データを細かくすると1秒後の予測が1分後、1時間後の大気の状態が数日後にならないと計算が終わらないという意味のない計算になってしまいます。やはり計算が天気予報を出す前に終わらないとなりませんので、コンピューターにインプットするデータ量は制限しなければなりません。つまり100%をあきらめなければならないのです。観測網を細かくするということも費用対効果を考えるとコストがかかりすぎます。
この情報は、局内向けで取材体制と放送対応の事前準備という目的がハッキリしている事柄への気象情報なので、テレビの天気予報よりもハッキリと言えるのです。「テレビでもこのように言ってくれ」と思われるでしょうが、リスク管理という目的がハッキリしない不特定多数に配信する場合、誤解を招く可能性があるので慎重にならざるを得ません。
このように現在の天気予報は、観測網の細かさ・コンピューターの計算スピード・コストという中の駆け引きで最善の状態で行われております。自動車や冷暖房、料理の熱など細かな影響が読めない以上100%の天気予報はあり得ません。ただ今後の研究次第で、100%に近づけることは充分可能です。

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