Q:スピークの時と、今の違いは?
M:「基本的には気象庁から情報をもらって原稿を組み立てていくっていうことは変ってないんですけど......前はその情報を要約したような原稿を作っていたんですね。だからほぼそのままの情報を“アナウンサー”松尾紀子がキチンと読むっていう感じでやっていた思うんです。今ももちろん気象庁の情報を元にやっているんですけど、まあそれが7割か8 割ぐらい、残りをニュアンスで、例えば、「今日は雨が降ったから過ごしやすい夜になりそう」というのを入れて伝えようとしています。前はこんな私が言っちゃっていいのかしらと思って、言いたくても絶対に言えなかったんですよね。今はそういう部分を入れて“気象予報士”松尾紀子として責任感をもってやっています。でも、こういうことを言うときはオンエアぎりぎりまで迷って、言った後は次の日の朝までドキドキしています。だから最近は朝起きたらまず空を見て「あすの予報」で言ったことがあっているかどうか確認します。もし、はずれていたら「早く降ってこないかな」って思って...... スピークの時ははずれても気象庁の原稿のせいにできたのでそんな事はなかったのですが、今は重い責任を感じながらやっています」

Q:これから気象予報士を目指す人に一言お願いします。
M:「もし、天気を人に伝えるような立場になろうと思ったら、もちろん専門的な分野も必要だけど、それを一般的な人が受け取るときにどういうふうに言ってあげられるかということを常に考えなければならないと思います。積乱雲がどうとか、気圧がどうといっても専門的な知識を持っていない人にはわかりませんよね。要は何なのかということをすごくかみ砕いて、普通の会話のときにどうなるのかっていうのを考えないとダメなんです。」
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