優しい時間
-#10 刺青-

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夕方になり、勇吉は六介への手土産のブランデーを買って朋子の車に乗った。美瑛の喫茶店で、勇吉と六介は対面した。「拓郎の父の勇吉です。長いことお世話になっていたのにご挨拶もせずご無礼いたしました」と自己紹介する勇吉。六介は手土産のブランデーを見ながら「あんたは変な親父だ、というより異常だ。心配しなかったのか。探したのか。父親失格だな。反省していても詫びても許さないのか。あいつは澄んだ目をしている。ナイーブだ。理解しようとしたのか」と畳み掛ける。さらに六介は「今やあいつは俺の息子だ。あいつを乱すな」とピシャリと勇吉を拒んだ。だが、「このブランデーは今夜、あんたからと言わずにあいつと飲む」とほんの少し救いを残す六介に、勇吉は打ちのめされるのだった。

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