東京タワー
-物語-
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知らない町に連れて行かれ、知らない小学校に転校させられる羽目になった雅也に頼れるのは栄子しかいない。登校のたびに腹が痛いとしぶる雅也を、栄子はなだめすかしつ送り出す。そんな母子を、栄子の妹、香苗(浅田美代子)は温かく見守る。栄子は、香苗の経営する食堂や青果市場、内職までして母子の生計をたてていた。雅也の世話を焼きすぎると注意する香苗に、栄子は子供には寂しい思いをさせたくないと答える。
相変わらず腹が痛いと登校をしぶる雅也に、栄子は友達を見つける。それが、耕平と前野だった。栄子は、2人を食事に招待し、つましい家庭とは思えない料理をふるまう。雅也にとって、そんな栄子はちょっぴり自慢の母親だった。
その後、栄子はハルの元を辞し、廃病院に移っても雅也を大切に育てた。進路相談もろくにしない雅也に、ぽんと新しいバイクを買い与える栄子。そのバイクを駆って小倉に行った雅也は、兆治に進路を聞かれる。目的は分からないが東京に出たいと答える雅也に、珍しく兆治は上機嫌。だが、兆治は東京行きの話を栄子にした方が良いと釘を刺す。
筑豊に戻り、栄子に東京行きの話をしようとした雅也は、自分の部屋を見てあっけにとられる。留守の間に栄子が綺麗に掃除してあったのだ。隠していた東京の美大の願書も整えられている。雅也は、何もかも先回りして世話を焼く栄子に、ついそんな母親だから離れたくもなると暴言を吐いた。
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