東京タワー
-物語-
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それから二週間、雅也は栄子と口を聞かないでいた。美大の試験費用に困った雅也は、香苗に無心しようとする。すると、栄子がどれだけ苦労をして雅也を育てたのかを考えろと逆に諭されてしまった。仕方なく、家に帰ると部屋の机の上には、栄子が用意した東京行きの切符が…。 栄子を残し、雅也は美大の試験のために上京する。東京のバスでは、同じく受験のために上京した佐々木まなみ(香椎由宇)と乗り合わせた。窓外に流れる明るい東京の夜景には、ひときわ輝く東京タワーの姿が…。

無事に合格した雅也が筑豊に帰ると、家の前に兆治がいた。仕事のついでに寄ったという兆治は、帰り際、東京に行くのなら自分の居場所を見つけろと雅也に言い残す。

家に入ると、香苗や耕平らが雅也の合格パーティーを開いてくれた。パーティーの後片付けをする栄子に、雅也は改めて東京行きの決意を語る。栄子は、雅也が決めたことなら良いと答えた。

旅立ちの朝。雅也は、見送るという栄子を制して家を後にした。しかし、駅に着き列車に乗り込むと栄子が追って来たではないか。栄子は、雅也に風呂敷包みを渡し、頑張るようにと告げる。離れていく列車をいつまでも見送る栄子。その姿が見えなくなった頃、雅也は渡された包みを開ける。中には、おにぎりやめざまし時計、東京の地図など雅也を心配する栄子の気持ちが詰まっていた。さらに、一通の封筒が。便箋には、息子の成長を喜ぶ栄子の想いが綴られている。読み進むうち、自然に涙があふれ出る雅也。そして…。

1989年4月。東京に着いた雅也は栄子に電話。東京の様子を尋ねる栄子に、雅也はキラキラしていると…。

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