1リットルの涙
- Story -
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そんなある日、亜也は、食事を詰まらせて呼吸困難に陥る。水野たちの処置のおかげで幸い命に別状はなかったが、亜也の受けたショックは大きいようすだった。
別の日、水野は、亜也宛に届いた一通のハガキを彼女の元に届けに行く。が、亜也は、日記を書いていてそのまま眠ってしまったようだった。部屋を出た水野は、授業を終えた遥斗の元に向かった。水野は、亜也のことを何もわかってやれなかった、と悔やむ遥斗に語りかけた。未知の領域が多い神経内科で、誰も治せなかった病気を自分なら治せるかもしれない、という野心を持っていたこと、心のどこかに脊髄小脳変性症の完治を諦めかけている気持ちがあったが、亜也の姿を見ていて諦めたくないと思ったこと…。「患者が諦めていないのに、医者が諦められるわけないよな」。水野は、遥斗にそう告げると、彼にハガキを託した。

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