裸の大将
-* ものがたり *-
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大井川。清が鉄橋の上に腰掛けて、デッサンをしている。自転車に乗った田中巡査に注意されるが、その時、蒸気機関車が煙を噴き上げ走ってくる。鉄橋の枕木にぶら下がり、あやうく難を逃れるが、力尽きて、手を離し、真下の川に落ちる。
田中巡査は清に「線路の上を歩くな」と注意して、リュックの中を調べると、フンドシやスケッチブック、貝殻や石ころまで入っている。清のものの言い方にバカにされたと思った田中巡査は清を交番に連れて行く。

交番で清は自分の父親や母親のことを話すが、田中巡査は同じ話の繰り返しに少々、うんざりしている。「お母さんは死ぬ前に、お腹が減ったら、親切なお巡りさんからおにぎりをもらいなさいと言いました」という話に気をよくした田中巡査は自分のお弁当のおにぎりを清に差し出す。両手に一つずつおにぎりを持ち、交互に食べ出すと、ヨメ子がやってきて、清を連れて帰る。
夕方。園長室では、園長の前で、清が真っ白い画用紙に反省文を書いている。「ぼ、ぼくは反省しているので…ごめんなさい」と園長に頭を下げる。
教室で美術主任のみどり先生(久本雅美)が明日の授業の準備をしている。「久しぶりに放浪したんだって」と聞くみどり先生に、清は「僕の体には放浪の虫が住んでいて、この時期になるとムズムズと動き出してしまうんだな」と言う。すると、みどり先生は清の小指に赤い毛糸を巻く。清が放浪したくなったら、小指の赤い毛糸を見て放浪は悪いことなんだと思い出してほしいというのだ。

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