メイちゃんの執事
*… 第6話(3/4) …*

別の日、メイと剣人は、根津ともめていた不二子が彼を平手打ちするところを見てしまう。走り去った不二子を追いかけるメイ。不二子は、そんなメイに、お嬢様と執事の恋愛が禁止になったのは学園創立後すぐのことらしい、と話す。恋に落ちてしまったお嬢様と執事がいたからなのだという。そして学園のどこかには、ふたりがデートした小屋があるらしい。いつの間にかそこに現れた多美は、古びた本を取り出し、その小屋――時間<とき>のない館について書かれた部分を朗読する。

『宴を抜けて森の奥 時間のない館を訪れて、 二人は永久に結ばれん』

宴とは舞踏会のことで、その日の夜に時間のない館までたどり着くことができれば、ふたりは永遠に結ばれる、という言い伝えがあるのだ。「行ってみたいよ、時間のない館…」。不二子は、そうつぶやいた。

戻ろうとするメイの前に現れた忍は、本郷家を継ぐという意味がわかっているか、と問いかけた。それは、巨大な権力と財産を継ぐことであり、婚姻さえも政略的なものになる、とメイに言う忍。続けて忍は、理人の使命は、メイを本郷家に相応しい淑女へと導くことだけだ、と告げた。

夜、メイは、剣人に手伝わせててうどんを打つ。いつもの調子で剣人と話しているうちに、ふと、自分が本郷家の人間じゃなかったらいまごろどうしていたかな、と言い出すメイ。剣人は、そんなメイに、戻ればいいのに戻らないのは理人がいるからだろう、と言うと、遂に自分の思いを告白してしまう。剣人の言葉に驚いたメイは、その場に立ち尽くして動けなかった。ドアの前では、理人がふたりの話を聞いていた。部屋を出た剣人は、理人に気づくが、何も言わず外へと出て行く――。

*BACK*NEXT*

もどる
0.メイちゃんの執事 TOP

(C)フジテレビジョン