わたしたちの教科書
━- ストーリー -━
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加寿子の元に到着した珠子は、その姿に言葉を失った。短く不ぞろいな前髪、靴をはいておらず、汚れた靴下…。珠子は、思わず加寿子を抱きしめた。加寿子は、そんな珠子に、「酷いことを言ってごめんね」と何度も謝った。加寿子は、明日香がいじめられているのを知りながら、ずっと見てみぬふりをしてきたのだという。
珠子は、加寿子を自宅に連れ帰った。そこで加寿子は、明日香の次のターゲットになっていたことを告白した。そして、自分をいじめている相手を非難するのではなく、彼らも誰かをいじめることで自分を保っているのだからかわいそうだ、と続けた。学校に脅迫状を出したのも、校舎の壁に、自分の教科書に書かれたものと同じ言葉を書いたのも加寿子だった。「誰かに気づかれるのが怖かった…誰にも気づかれないのも怖かった…変だね、そんなの変だよね」。珠子は、そんな加寿子を気遣いながらに、いじめのことを両親に話すよう諭す。戸惑いながらもそれに応じる加寿子。珠子は、明日から学校に行かなくてもいい、と加寿子に告げた。その言葉に、加寿子は少しだけ安堵の表情を浮かべた…。
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