黒部の太陽
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■撮影リポート その3
またトンネルを掘り進める男たちを静かに待ちながらそれぞれの困難に立ち向かっていた女性陣もこの作品を通して様々なことを感じているようだ。
工事現場に近い食堂で働く川口文子役を演じた深田恭子は、戦後の混乱を生き抜くために様々な苦労を重ねてきた役どころ。「あの時代にすごく大変な思いをして生きていた女性なので、その心情を理解するのがすごく大変で、心が痛くなりました。」と語り、実際に収録で黒部ダムに赴いたことを振り返る。「この作品でどれだけたくさんの男の人たちがどんな思いで黒部ダムを造ったのかを知り、黒部ダムに行った時は本当に私も胸が熱くなりました。」と語った。「黒部ダムを知らなかった私世代の人たちやいろんな方にいろんな事を感じていろんなことを思っていただければと思います。」と同世代に今このドラマを見てほしいという思いを語った。
また、滝山家の長女として母と共に家を守りながら、ユースケ・サンタマリア演じる木塚とお見合いをした滝山幸江役を演じた綾Pはるかも同様に黒部ダムでのロケを振り返り、
「私がクランクインした日がちょうど、黒部ダムロケ部分のクランクインだったのですが、とても寒く、今と違って機械も発達していない中、あんな大きなトンネルやダムをお作りになったご苦労はすごかっただろうなと感じました。作品が出来上がるのを楽しみにしています。」と作品へかけた思いを語った。
この黒部川第四発電所建設を決意した張本人として揺るぎない決意のもと全力を尽くした関西電力社長太田垣士郎役を演じた中村敦夫は、そんな役どころについて「伝説の経営者で、実在の人物を演じさせていただきました。実業家や経営者という方々は、パターンがありそうでないものですし、特に大きな事業をしている経営者は個性的ですから、それを演技でどうやって見せるかという部分が難しくて、演じるのに苦労しました。役者は年をとるにつれて役柄が変化していきますので、(役者を)何十年やったかということは関係なく、いつも新人だなとこの仕事を通じて特に痛感しました。めったにない大作で力の入った作品ですので、ぜひ沢山の方々に見て頂きたいと思います。」と語り、充実した撮影期間であったことを振り返った。
さらに、ここで会場がどっと沸いたのが泉ピン子からの言葉だった。
「とうとうやりました。SMAPのお母さんになれました。光栄です。」と語り笑いを誘いながらも、息子役を演じた香取慎吾の演技について語り始めた。会場で見たダイジェスト版について「とっても倅が良いです。芝居が良いです。私は家のシーンでご一緒していて、他での倅の顔を見てなかったものですから、あぁこうやって働いてこうやってトンネル掘っていたんだって思うと、本当にお袋になったみたいに涙が出てきました。」と思いの程を語った。さらに「今観ていて7分ですけど、確信もてました。一人でも多くの方に、そしてトンネルを掘って黒部で亡くなった方のためにこのドラマを捧げたいと思っております。つくってくださった方々に感謝をし、困難があってもその先に、トンネルの先には明るい未来が見えるという、今こんな暗い世の中ですから、一人でも多くの人たちにとってそういうメッセージになったらいいなと思います。」とこのドラマを通じて今の日本が元気づけられたらという気持ちを強く訴えたのだった。また、熱い思いを持ってドラマに取り組んだのはキャストだけではなかった。
スタッフもプロ中のプロたちが総結集し、それぞれが大きな仕事をしている。そんなスタッフを代表して行われた言葉には作品への思いのほどがにじみでる。
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