硫黄島 戦場の郵便配達
クリント・イーストウッド監督インタビュー

[伊]映画の中で、日本兵が自決するシーンがあるのですが、この日本人独特の真理を世界の人々は理解できるのでしょうか?

[ク]理解できるかどうかは分かりませんが、自らの命を絶つということは、アメリカ人である私には共感できません。しかし、これはあの島で実際に起きたことで、彼らかどのような心境であったのかを探求することに興味がありました。噂では栗林中将軍は自決に関しては反対していたそうで、私たちはそこからストーリーを取っています。彼は生きていない兵士は何の役にも立たないと考えていたようです。最後まで戦えるように、生きていないといけないと。
しかし指揮官の中にはそれに同意しない者もいたようです。攻防戦でトンネルを掘ることに反対する指揮官がいたように。これらは全て文章で残っています。
私は硫黄島に行った時、手榴弾で自決したとされる場所に行きました。私には硫黄島で戦った兵士としての経験はないので、理解するのはとても難しく、そのむなしさは全く理解できません。敵に殺されるよりは死んだ方が良いという考えだったのでしょう。でもこれを理解するには、通常とは全く違う精神状態が必要だと思います。なぜそのようなことをしたのかという興味深い疑問を観客に投げかけています。そのために、西郷のキャラクターが本当の指令を聞いてしまうという、ストーリー設定にしています。理解しようとするにもかかわらず、それができずに、そうであるべきだという考えに達するのです。

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