硫黄島 戦場の郵便配達
クリント・イーストウッド監督インタビュー
[伊]実際に硫黄島を目にした時の印象はどうでしたか?
[ク]とても奇妙な感じがしました。戦時中に撮影された写真や、そこで行われていた破壊行為のニュース映像などを多く見ていたのですが、静まり返った海岸に立って、穏やかな海を眺めるのはとても奇妙な感じがしました。はじめは島に上陸したとたんに撃たれるアメリカ人について考えていましたが、反対に、地下で生きていた人達についても考えるようになりました。実際に地下壕にも降りてみましたしね。
(日米)両サイドから探求して行くうちに、どちら側も、若い青年がどこかの地で戦うように命じられていたことに気づいたのです。
この島は日本人にとっては記念碑のような場所なのだと思いますが、確かにそうでしょう。あの島で亡くなったたくさんの行方不明者がいるのですから。
もちろんアメリカ側にも多くの犠牲者が出ました。あの島にいたことのあるアメリカ人は、その影響で当時のことをあまり話したがりません。彼らは皆、家族のもとに帰って、自分の人生を続けたかったのです。
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