イノセント・ラヴ
-Story-
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佳音や昴の祈りが届いたのか、やがて殉也は意識を取り戻した。だが、事故の後遺症で、記憶を失っていた。佳音は、退院が許された殉也を家に連れて帰ると、献身的に身の回りの世話を続けた。
耀司が働いている工場を訪ねた池田(豊原功補)は、会社を辞めてフリーランスになったことを耀司に告げると、いつかふたりの記事を書かせてほしい、と続けた。希望を捨てずに生きている人間の姿を書きたいのだという。耀司は、去っていこうとする池田を呼び止めると、「何があっても、人は生きていくしかないんですね」と声をかけた。
佳音は、殉也の記憶を取り戻すために、美月(香椎由宇)にも協力を求めた。殉也に、楽しかったころのことを思い出させようとしたのだ。しかしそれは実を結ばなかった。美月は、一緒にいた時間の長さには何の意味がないことを改めて感じ、殉也への思いを捨て去ろうと決意していた。
佳音は、殉也が自分のために作ってくれた曲を弾いて聴かせようとしたが、譜面が読めないため、思うように弾くことができなかった。だが、これがきっかけになり、殉也は、自らピアノの前に座って「いつくしみ深き」を弾くようになった。
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