イノセント・ラヴ
-Story-
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佳音は、戻ってきた殉也のようすがどこかおかしいことに気づく。殉也は、佳音を安心させようと、微笑んでみせた。そのとき殉也は、式場の上階にあるバルコニーに聖花が立っていることに気づく。聖花は、殉也のことを見つめていたかと思うと、ゆっくりと手すりを乗り越えて飛び降りた。異変に気づいて走り出していた殉也は、ギリギリのところで落ちてくる聖花を受け止めた。だが、その衝撃で、殉也は聖花を抱いたまま倒れ、頭部を打ってしまう。殉也の頭から流れる血が石畳に広がっていた。佳音は、殉也に駆け寄り、彼の名前を叫び続けた――。

殉也は命こそ取りとめたものの、意識を取り戻さないままだった。佳音は、そんな殉也にオルゴールの音を聞かせ続けた。かつて、聖花のためにそうしたように…。

佳音が、訪ねてきた耀司と一緒に病室を出た間、殉也とふたりっきりになった昴は、殉也に話しかけた。ずっと思っている相手というのは殉也であること、聖花とふたりでパリに移り、もう二度と殉也には会わないつもりでいたことを。昴は、殉也が目を覚ますことを祈り続けた。

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