イノセント・ラヴ
-Story-
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殉也は、佳音のアパートの前で夜を明かした。佳音は、そんな殉也のことを気にしながらも、何もいわずに出かける。耀司を迎えに行ったのだ。が、佳音が少年刑務所を訪れると、耀司はすでに出所した後だった。
アパートに戻った佳音は、殉也を無視して部屋に入った。その夜、佳音が洗い物をしていると、ふいにオルゴールの音が聞こえてきた。それは、佳音が殉也にプレゼントしたオルゴールの曲『いつくしみ深き』だった。殉也は、ドア越しに、この曲の歌詞をよく聞いたことがあるか、と佳音に語りかけた。そして、神様が本当にいるのかどうかはわからないが、好きな人のことは何でも受け入れてあげたいと思うし、例えこの世界が何の救いのないものでも、その人を守ってあげたいと思う、と続ける殉也。その言葉を聞いていた佳音は、ためらいがちにドアを開け…。
佳音は、勇気を振り絞って殉也にすべてを告白した。佳音の手をずっと握りながら話を聞いていた殉也は、幸せになりたいなんて思ってはいけなかった、と涙を流す佳音に、「いいんだよ、幸せになりたいと思っても。僕はこの手を放さないから」と言葉をかけた。佳音は、そんな殉也に抱きついて泣きじゃくった。
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