イノセント・ラヴ
-Story-
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そこに、慰問コンサートの楽譜を持って美月がやってきた。美月は、家に入れたくないという殉也の気持ちを察し、譜面を手渡すと、昴とともに彼の家を後にした。その際、美月は、昴に聖花のことを尋ねた。殉也は、美月には聖花のことを話さないのだという。昴は、聖花は優しくもなく誠実なタイプでもなかったが、そういう女性だからこそ好きになることもある、と美月に告げた。昴と別れて義道神父(内藤剛志)の教会に立ち寄った美月は、告解室で「ある人の死を強く願ってしまった」と告白し――。

一方、少年刑務所に収容されている佳音の兄・耀司(福士誠治)は、所内で突然暴れ出し、保護房に入れられていた。耀司が暴れたのは、佳音が面会に来た日の夜のことだった。そんな折、雑誌記者の池田(豊原功補)が少年刑務所を訪れ、耀司に面会を求める。池田は、耀司が起こした事件の真相を追って、すでに佳音にも接触していた。池田は、君を助けたいと思っている、と耀司に告げると、事件の話を切り出した。池田は、耀司が逮捕後に両親の殺害を自白したにもかかわらず、裁判で一転無罪を主張した裏には、何か事情があるのではないかとにらんでいた。耀司の表情を見ながら、慎重に言葉を選んで話す池田。しかし耀司は、事件の夜、目を覚ましたときには既に両親は殺されており、灯油を撒いたのは佳音にそれを見せたくなかったからだ、と答えるだけだった。

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