不毛地帯
- 第十八話 -
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サルベスタンの開発を諦めきれなかった壹岐は、中東の石油事情に詳しい国際ロビイストの竹中莞爾(清水紘冶)を訪ねた。竹中は、内閣総理大臣の田淵(江守徹)とじっこんの間柄だった。そこで、竹中から田淵に、イラン国王がサルベスタンの開発続行を強く望んでいることを伝えてもらい、政府から日本石油公社に支援再開を指示させようという目論見だった。

そんな折、壹岐は、業務本部長の角田保(篠井英介)から、大門が綿花相場でかなりの額の損失を出しているという話を聞かされる。しかも、具体的な損失額は大門が指示を出している綿花部長の伊原(上杉祥三)以外、誰も知らないのだという。 役員会議に出席した壹岐は、大門に綿花相場の件を切り出した。しかし大門は、自分が全責任を持つ、と言って何も説明しようとはしなかった。その席で大門は、イランから撤退することを宣言した。壹岐は、公社の支援を得られるよう努力していることを伝え、結論を出すのは待ってほしいと願い出る。しかし大門は、その具体策を提示しようとはしない壹岐に苛立っていた。

壹岐と大門の緊迫したやり取りを目の当たりにした角田は、タクボ工業の社長となった里井達也(岸部一徳)に連絡した。里井に会った角田は、壹岐が五号井の採掘を進めようとしていること、大門が綿花相場に入れ込んでいることを報告した。

秋津千里(小雪)は、壹岐のマンションを訪ねていた。壹岐とともに、直子(多部未華子)夫婦と一緒に食事をするためだった。そこに、いきなり鮫島辰三(遠藤憲一)がやってきた。千里に気づいた鮫島は、壹岐との関係を勘繰るような無礼な態度を取りながら、東京商事もサルベスタンから降りることにした、と壹岐に告げた。
鮫島が帰った直後、竹中から電話が入った。田淵が、壹岐の願いを受け入れてくれる、という連絡だった。ただちにイラン国王側と話をつけなければならなくなった壹岐は、直子たちとの食事会が延期になってしまうことを千里に詫びた。

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