不毛地帯
- 第十八話 -
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壹岐は、兵頭とともにテヘランのドクター・フォルジ(アルフレド・ベナベント)を訪ね、イラン国王の力を借りたいと申し出る。さらに壹岐は、アメリカ近畿商事の海部要(梶原善)を日本に呼び寄せた。アメリカ近畿商事時代に為替差益などで得た利益をプールしていた壹岐は、その金1000万円を海部に届けさせたのだ。それは、田淵に渡すための金だった。
さっそく田淵邸を訪れた壹岐は、田淵が飼っている鶴のために配合飼料を用意してきた、といって箱を手渡した。箱の中に敷き詰められた飼料の下には、海部が持ってきた1000万円が隠されていた。

その夜、壹岐は、谷川正治(橋爪功)を訪ねた。谷川は、明日、シベリアで命を落とした抑留者のために慰霊碑を建てる件で、再び舞鶴に行くのだという。酔いつぶれてしまった壹岐は、あくる朝、谷川に見送ってもらう。谷川は、壹岐のことを心配しているようすだった。

政府からの強い要望で、日本石油公社は近畿商事への支援継続を決定する。壹岐からその報告を受けた大門は、最後の1本だと念を押して、五号井の採掘を許可した。社長室を後にしようとして立ち止まった壹岐は、このままでは命取りになりかねない綿花相場の件を早急に終わらせるよう、改めて大門に進言した。

壹岐は、兵頭とともにサルベスタンに向かった。五号井の採掘開始に立ち会うためだった。採掘が始まって間もなく、東京から壹岐宛てのテレックスが入る。谷川が死んだという知らせだった。緊急帰国した壹岐は、その足で葬儀場に向かい、谷川と最後の対面を果たす。谷川は、疲れが重なりカゼをこじらせていたにも関わらず朔風会の会報作りなどを続け、肺炎を起こしたのだという。誰よりも自分のことを理解してくれていた谷川の死に、壹岐は深い悲しみを味わっていた。

同じころ、大門は、綿花相場の損失が45億円に膨らんでいることを知る。いつか壹岐が大門を追い落とす、という里井の言葉を思い出す大門。里井を呼び出した大門は、そこで彼に、近畿商事に戻ってこないか、と持ちかけた。それに対して里井は、壹岐を社外に出すのなら戻る、という条件を出す。

そんな中、採掘が続けられていたサルベスタンの五号井でガス暴噴が発生し…。

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