不毛地帯
- 第十七話 -
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入札当日。オリオン・オイル社のリーガン会長(チャールズ・グラバー)とともに、イラン石油公社を訪れた兵頭は、筆頭理事のドクター・キア(アハマド・アリ)に入札価格を書きこんだ書類を手渡す。近畿商事とオリオン・オイル社が提示した価格は3990万ドルだった。

帰り際、兵頭たちは、入札にやってきた鮫島ら日本石油公社グループとすれ違った。石油公社グループが、入札締め切りの5分前にやってきたことに、兵頭は不安を隠せなかった。リーガンは、そんな兵頭に、我々はやるべきことはすべてやった、と声をかけた。

あくる日、兵頭は、電話でイラン石油公社に呼び出される。リーガン会長とともにイラン石油公社に向かう兵頭。そこでドクター・キアは、近畿商事、オリオン・オイルグループが一番札であることを決定した、とふたりに告げた。リーガンと固い握手を交わし、抱き合って喜ぶ兵頭。その目には涙が滲んでいた。
その知らせは、すぐに東京本社の大門と壹岐にも伝えられた。入札価格の第2位は西ドイツのデミネックス社で3950万ドル、日本石油公社グループは3900万ドルで第3位とのことだった。

その夜、壹岐は、毎朝新聞の記者・田原秀雄(阿部サダヲ)に連絡を入れて呼び出し、イラン・サルベスタン鉱区を落札したと報告する。田原は席を立つと、猛然と走りだした。

あくる日、毎朝新聞の一面には、近畿商事の快挙を伝える記事が掲載された。谷川も、千里も、その記事を読んで安堵の表情を浮かべていた。

壹岐は、大門とともに、日本石油公社を訪ね、貝塚に今後の支援を願い出た。だが、貝塚は、すでに総裁更迭の内示を受けていた。

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