不毛地帯
- 第十七話 -
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鮫島は、テヘランにあるホテルのメイドを買収して兵頭の部屋に侵入し、彼がモスクワに向かっていることを知る。鮫島は、義理の娘でもある直子に電話を入れると、壹岐の身に何かあったかのような口ぶりで騙し、モスクワのことを聞きだした。近畿商事側がイラン国王の側近と接触したことを確信した鮫島は、五菱商事の神尾(名高達男)や五井物産の有田(大門正明)に対して、すでに取り決めた入札価格に500万ドル上乗せすべきだと訴える。
同じころ、秋津千里(小雪)は、比叡山を訪れ、兄・清輝(佐々木蔵之介)に会っていた。千里は、日本陶芸展が終わったら、陶芸のルーツをたどるためにシルクロードに行くことを清輝に告げる。
帰国した壹岐は、社長の大門一三(原田芳雄)に、入札価格の情報と引き換えとしてフォルジから提示された条件を伝える。フォルジが望んでいるのは、アメリカ軍が所有している戦闘機F14だった。壹岐は、ニクソン米大統領と太いパイプを持つカプシ・コーラのシードル会長にその橋渡しをしてもらう約束を取り付けていた。
入札2日前、フォルジの邸宅を訪れた兵頭は、そこで1冊の詩集を手渡される。それが、処方箋なのだという。
あくる夜、近畿商事のテヘラン事務所に、フォルジから電話が入った。そこで、ゆっくりと2編の詩を読みあげるフォルジ。兵頭とともにそれを聞きながら書き留めた東山(小市慢太郎)は、詩集の中から、フォルジが読んだ詩を探した。ふたつの詩が掲載されていたのは36ページと105ページ――入札価格の最高値は、36×105で3780万ドルという意味だった。
連絡を受けた壹岐は、大門にその価格を報告した。大門は、上限として取り決めた3600万ドルを超えていることに難色を示した。壹岐は、そんな大門に、第四次中東戦争勃発の可能性があることを告げ、上限を4000万ドルまで引き上げることを了承させる。
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