不毛地帯
- 第十七話 -
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帰社した大門と壹岐は、集まっていた新聞記者たちに囲まれた。遠くからその姿を見つめていたのは小出宏(松重豊)だった。近畿商事を後にした小出は、路地裏のゴミ捨て場で狂ったように暴れると、そのまま倒れこんだ。
その夜、壹岐は、直子のもとを訪れる。そこで直子は、鮫島からの電話の件を壹岐に話した。するとそこに、いきなり鮫島が現れる。鮫島は、少しも悪びれたようすもなく勝手に家の中に入っていくと、これからは公私ともども壹岐と付き合わせてもらう、と言い出す。日本石油公社の山下新総裁が近畿商事支援を決めたことを受け、東京商事もサルベスタン鉱区の採掘に資本参加するつもりだというのだ。
別の日、壹岐たちはイラン側との調印式に向かうため、羽田空港に向かった。そこで千里の姿を見かけた壹岐は、彼女がシルクロードに行くことを知る。壹岐は、そんな千里にマンションの鍵を手渡し、帰国したらまっすぐに来てくれ、と告げる。
自由党の田淵幹事長(江守徹)は、友人でもある国際ロビイスト・竹中莞爾(清水紘冶)と能を楽しんでいた。竹中は、近畿商事がサルベスタン鉱区を落札したことで、日本石油公社をバックアップしていた佐橋から、田淵に総理大臣の座が渡る日も近いと見ていた。「それにしても、あの壹岐正は、面白そうな男だな。長い付き合いになりそうだ」。田淵は、そうつぶやいた。
テヘランを訪れた壹岐たちは、無事、調印式を済ませた。「サルベスタンは、壹岐正とって、第二のシベリアになるだろう」とドクター・フォルジは予言した。その言葉通り、石油ビジネスにおける本当の戦いはこれからだった…。
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