不毛地帯
- 第十話 -
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あくる日、壹岐は、大門、里井とともに、千代田自動車とそのメインバンクである第三銀行との三者会談に臨む。毎朝新聞の田原秀雄(阿部サダヲ)は、壹岐の帰国などから、千代田自動車に関する動きを感じとっていた。田原のマークをかわして会談に臨んだ壹岐は、提携に関するフォーク社側の意向を伝える。千代田自動車の社長・森(大林丈史)は、50%の出資比率と代表権を持つ役員の派遣、というフォーク側が出した条件に当然のごとく反発した。大門や壹岐は、フォーク社にも千代田自動車側の意向を伝え、同じテーブルについて話し合うことを了承させている、と言って森を説得した。

夜、壹岐は、谷川正治(橋爪功)の家を訪ねた。谷川は、アメリカで独身生活を送る壹岐のことを案じ、再婚をしてはどうかと勧めた。壹岐は、谷川の気づかいに感謝しながらも、自分にとって妻は佳子ただひとりだと思っている、と答えた。

ニューヨークに戻ることになった壹岐は、壺が届いたことに対する礼もあって千里に電話をした。千里は、そんな壹岐に、個展も終わって仕事が落ち着いたのでニューヨークに行ってもいいかと尋ねる。壹岐は、歓待する、と約束して電話を切った。

壹岐は、千里から譲り受けた壺をニューヨークまで持っていくつもりでいた。壹岐の荷物を準備していた娘の直子(多部未華子)は、千里が独身であることに興味を示し、本当はパトロン的な人がいるのではないか、と言い出す。その言葉に反応し、むきになって怒る壹岐。直子は、そんな父の姿に何かを感じたようすだった。

壹岐は、ニューヨークに旅立つ前に東京本社を訪れた。そこで里井は、通産省サイドが、千代田自動車とフォーク社の提携に肯定的であること、そして外資の出資に関しては3分の1の33.3%をひとつのめどとして考えていることを壹岐に伝える。あわせて里井は、自らデトロイトに出向いてフォーク社との交渉をまとめるつもりでおり、業務本部から本部長の角田保(篠井英介)を加えることにした、と壹岐に告げる。

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