不毛地帯
- 第九話 -
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壹岐は、業務本部の部下だった兵頭信一良(竹野内豊)、海部要(梶原善)、不破秀作(阿南健治)だけに千代田自動車とフォーク社の提携話を打ち明ける。ほどなく、兵頭は業務本部を離れて石油部長になり、海部はアメリカ近畿商事の副社長として壹岐に同行することになった。壹岐の後任として業務本部長に就任したのは、里井の息がかかった角田保(篠井英介)だった。

渡米した壹岐は、海部やロス支店から呼び寄せた塙四郎(袴田吉彦)らとともに、フォーク社との交渉に向けて動き始める。だが、交渉は困難を極めた。1年もの間、フォーク社にアプローチを続けたにもかかわらず、面会すらできなかったのだ。

昭和45年2月。仕事を終えてアパートに戻った壹岐は、直子から届いた手紙を開ける。そこには、直子と倫敦、そしてふたりの間に生まれた生後10ヵ月の長男・太の写真が入っていた。

ある日、壹岐は、フォーク会長(アレキサンダー・バリ)と韓国・光星物産会長の李錫源(榎木孝明)が会談を行ったというニュースを見る。フォーク社と光星物産は、すでに3年前に提携を実現させていた。実は壹岐と李は、陸軍士官学校の同期だった。壹岐は、李に連絡をとり、密かに相談を持ちかける。

そんな折、アメリカ近畿商事のオフィスに兵頭がやってくる。そこで兵頭は、そろそろ東京に戻ってほしい、と壹岐に頼んだ。兵頭は、国内資本による石油開発を手がけたいと思っているのだという。そこに、塙と八束功(山崎樹範)が興奮しながら飛び込んできた。フォーク社とコンタクトがとれ、フォーク会長のブレーンであるアジア渉外担当のプラット(ニコラス・ペタス)が壹岐に会う意思を表明したのだという。それが壹岐の力によるものだと推察した兵頭は、東京で待っている、と言って別れた。壹岐たちは、さっそくフォーク社との会談に向けて、準備を始めた。

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