不毛地帯
- 第九話 -
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同じころ、秋津千里(小雪)は、壹岐の家に、銀座で開く個展の案内を送ろうとして迷っていた。千里は、能楽師の丹阿弥泰夫(加藤虎ノ介)との婚約を解消していたが、まだそれを壹岐に言えずにいた。

壹岐は、フォーク社との会談に向けて、塙、八束とともにデトロイトに向かった。そこで壹岐たちが見たのは、東京商事の鮫島の姿だった。壹岐は、塙に鮫島の動向を探るよう命じた。

フォーク社を訪れた壹岐たちは、プラットとの会談に臨んだ。プラットは、赤字経営の千代田自動車と提携することに難色を示した。それに対して壹岐は、フォーク社が日本に進出するためには千代田と提携するしかないことを説明する。プラットは、冷静かつストレートな壹岐の言葉に押されながらも、仮に千代田自動車と提携することになった場合、50%の出資比率と役員の派遣が条件だと告げる。すると壹岐は、出資比率等は即答できないが、まずは千代田自動車と同じテーブルにつくことに合意してほしい、と迫った。
報告を受けたフォーク会長は、プラットをたった一度で説き伏せ、李からも信頼されている壹岐の手腕を認め、すべてを近畿商事に任せる、といって委任状にサインした。

壹岐からの報告を受けた大門は大喜びだった。兵頭や不破も、壹岐たちが1回目の交渉でフォークの委任状をとりつけたことに驚きを隠せなかった。が、ガッツポーズをして喜んでいた兵頭たちの前には、里井の姿があり…。

壹岐は、里井に気づかれたことを兵頭から教えられる。そのとき、玄関ブザーが鳴った。ユニオン船舶のパーティーに出ていた黄紅子(天海祐希)が訪ねてきたのだ。パーティーで一緒になった海部から壹岐のアパートの住所を聞いたのだという。
酔ったようすの紅子は、夫の黄乾臣(石橋蓮司)のことを話しているうちに、壹岐に絡み始める。壹岐のことを見ていると時々無性に腹が立つ、というのだ。壹岐は、そんな紅子を送っていこうとした。すると紅子は、いきなり抱きつき、壹岐のことが好きだと言い出す。とっさに紅子を振りほどく壹岐。紅子は、壹岐をののしると、千里のことが好きなら男らしく結婚してあげるべきだ、と言い放った。そこで紅子は、千里が婚約を解消したことを壹岐に告げ…。

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