不毛地帯
- 第七話 -
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別の日、壹岐は、兵頭にだけ事情を打ち明け、千代田自動車の厚木工場に出向く。そこで「115」の試作車を目にした壹岐は、その美しい車体に魅せられていた。

業務本部に戻った壹岐は、兵頭や不破秀作(阿南健治)らから、千代田自動車に関する報告を聞く。それによれば、千代田自動車は販売ルートの強化さえできれば、自主独立の可能性が高いと思われた。壹岐は、部下たちに千代田自動車の自主独立路線を全面的にバックアップする、と告げると同時に、すでに里井が富国自動車との合併に動いていることを打ち明け、慎重に事を進める必要がある、と念を押した。

そのとき、外務省を訪れていた海部から思わぬ知らせが入った。米自動車産業のビッグ3であるフォーク社の会長・フォーク2世(アレキサンダー・バリ)が緊急来日する、というのだ。壹岐は、ただちにその来日目的を探るよう海部に指示を出した。

羽田空港内で行われた記者会見で、フォーク会長は、広島にある東和自動車のロータリーエンジンを見学に行く、と今回の来日目的を説明した。毎朝新聞の田原秀雄(阿部サダヲ)は、東和自動車との提携の話し合いではないか、とぶつけたが、フォークはそれを否定した。そこで会見を打ち切ったフォーク会長が会場を出ようとしたそのとき、ドアの先にいたのは、東京商事の鮫島辰三(遠藤憲一)だった。

それを知った大門は、壹岐に怒りをぶつけた。壹岐は、広島でのフォーク会長の動きを追っていた海部から報告を受けるが、鮫島の狙いはいまだ不明だった。

そこに黄紅子(天海祐希)から電話が入った。『ル・ボア』に千代田自動車の村山が来ているからすぐに来たほうがいい、という知らせだった。
壹岐が『ル・ボア』を訪れると、そこに何故か千里と泰夫の姿があった。実は泰夫は村山の甥にあたり、今日は千里との婚約を報告しにきたのだという。その際、千里は、今晩、東京のホテルに宿泊することを壹岐に告げた。

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