不毛地帯
- 第七話 -
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一方、里井は、大学時代の同窓でもある千代田自動車の営業担当専務・村山(田村亮)に会う。そこで村山は、社運をかけた新車の開発を進めていること、万が一それが失敗に終わったときは、業界5位の富国自動車との合併を考えていることを里井に打ち明ける。
そんな折、壹岐のもとに、航空機部時代の元部下で、第2次防FXをめぐる情報漏えい事件で会社を追われた小出宏(松重豊)から電話が入る。レストランで壹岐と会った小出は、ひとしきり会社を追われた恨み事をいうと、あるものを取り出した。それは、千代田自動車が社運をかけて開発した「115」と呼ばれている新車の設計図とテスト走行の写真だった。小出は、壹岐の口利きで、それを千代田自動車に200万円で買い取ってもらいたいのだという。
小出から「115」の設計図と写真を預かった壹岐は、鉄鋼部時代に知り合った千代田自動車の技術担当常務・小牧徹也(小野武彦)に連絡を取り、それを見せた。それが間違いなく「115」のデータであることを確認した小牧は、これから先の交渉は自分たちが行いたいと壹岐に告げた。
壹岐家では、佳子(和久井映見)と直子(多部未華子)が、帰省してくる長男・誠(斎藤工)の話で盛り上がっていた。するとそこに小出から電話が入る。例の件の返事を待っている、という内容だった。不安を感じた佳子は、帰宅した壹岐にそのことを伝えると、小出に関わっていて大丈夫なのか、と問いかけた。しかし壹岐は、余計な心配をしなくていい、と不機嫌そうに答えただけだった。
あくる日、壹岐は小牧と会った。小牧は、すでに小出に金を渡していた。小牧は、その件で迷惑をかけてしまったことを壹岐にわびると、相談事を持ちかけた。千代田自動車では、小牧たち技術部門が自主独立路線を主張しているのに対し、村山ら営業部門は他社との合併をもくろみ、対立しているのだという。「115」にそのすべてを賭けている小牧は、最新設備が整った千代田自動車の厚木工場に壹岐を招き、技術力を見てほしいと申し出た。壹岐は、それを承諾した。その際、小牧は、村山が里井と組んで、富国自動車との合併を画策していることも打ち明けた。
夜、クラブ『ル・ボア』を訪れた壹岐は、そこで里井と村山に出会う。壹岐と名刺を交換した村山は、厚木工場があれば合併話も有利に進められるから一度壹岐にも見てもらいたい、などと話す。
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