不毛地帯
- 第六話 -
[2/3]

その夜、帰宅した壹岐は、直子(多部未華子)の恋人・倫敦(石田卓也)が来ていることを知る。露骨に不快感を露わにし、帰るよう促す壹岐。それに対して倫敦は、親同士が商売敵だから自分たちまで巻き込まれたようだ、と直子に言うと、平然と佳子(和久井映見)に紅茶を頼んでみせる。
するとそこに、兵頭から電話が入る。峯から、戦標船の件は白紙に戻し、大阪出張中の里井が戻った上で再度検討する、との連絡が入ったというのだ。

あくる日、壹岐は、東京に戻ってきた里井に戦標船の件を確認しにいく。すると里井は、日東交易の顧問でもある国際ロビイストの竹中莞爾(清水紘治)が社長の大門一三(原田芳雄)に接触してきたことを壹岐に告げた。竹中は、壹岐が戦標船の件で安蒜に泣きついたことも承知しており、大門に他のイスラエル産農作物も頼む、などと恩着せがましく言ってきたのだという。それを受けて大門と里井が下した結論は、戦標船の手配と日東交易から依頼されたオレンジの輸入を断る、というものだった。

壹岐は、やり切れぬ憤りを抑えて、兵頭とともに黄のもとを訪れて謝罪する。同席していた紅子は、お互いに今後も付き合いがあるはず、といって黄と近畿商事の間を取り持った。

そんな中、イスラエル軍がカイロをはじめとするアラブ連合軍の空軍基地を攻撃し、ついに第三次中東戦争が勃発する。鮫島の東京商事を始めとする各商社は、戦争が長期化するとの予測のもと、船舶、穀物、ゴム、錫、砂糖などの需要を見込んで、買い注文を出し続けた。一方、近畿商事は、業務本部の作戦通り、相場の流れを静観し、最高値になったところで売りに出る。毎朝新聞の記者・田原秀雄(阿部サダヲ)は、そんな近畿商事の戦略にいち早く気づいていた。

壹岐たちの読み通り、第3次中東戦争は6日間で終結し、イスラエル側の勝利に終わった。近畿商事のひとり勝ちでマスコミに囲まれた大門は上機嫌だった。

[前へ|次へ]

もどる
0.不毛地帯 TOP

(C)フジテレビジョン