アタシんちの男子
- 最終話 -

あくる朝、千里はリストバンドを完成させる。時田は、そんな彼らに、千里の契約が終了する12時20分になったら、本が見つかったかどうかにかかわらず突入する、と宣言する。千里たちに残された時間はあと1時間しかなかった。

母親十か条の最後は、『食事は家族揃ってリビングで』だった。慌てて食事を用意し、「いただきます!」と声を揃える千里たち。すると、その声にみらくるん2号が反応し、トリックハート城の最後の封印が解かれる。

階段がスライドして現れた扉は、隠し部屋へとつながっていた。優は、隠し部屋をふさいでいる壁に、兄弟たちの手形をはめ込むことに気づいた。そして、壁の中央にある白い型に千里が自らの手形を押すと、センサーが反応し、「大蔵新造が遺した本のタイトルは?」という質問が…。千里たちは、当てずっぽうでいろいろと言ってみるが、すべて不正解だった。

そのとき、トリックハート城に国土がやってきた。平次らによって時田のもとを脱出することに成功した国土は、途中で切れてしまった新造の映像が記録されたメディアを持ち帰り、自らの研究スタッフに解析させていた。「本のタイトルは『からくり城と七人の勇者』!」。千里が国土から教えてもらった本のタイトルを叫ぶと、扉が開いた。そこにあったのは、光輝く財宝と、一冊の本だった。

本を読んだ千里たちは、時田を呼び、財宝をすべて渡す代わりにトリックハート城を壊さないでほしい、と頼んだ。新造の本に書かれていた通りに…。千里たちは、本当の宝は家族だ、という新造の思いを受け止めたのだ。すべて新造の手のひらの上で踊らされていたことを知った時田は、隠し部屋の扉を閉めると、千里の手形を床に叩きつけ、「これで財宝は誰の手にも渡らない」とつぶやいた。そして、トレジャーハンターは別の場所に建設する、と言い残して去っていく。

城を守り抜いた風たちは、トリックハート城から出ていくことを千里に告げた。千里が背中を押してくれたおかげで一歩踏み出せたのだから、今度は自分の足で歩くことにした、というのだ。千里は、兄弟たちのようすがいつもと違っていることに気づいていた。だが、いままでの出来事を思い出すうちに、止めどなく涙が溢れてしまう千里。「初めて会ったときは、何だコイツらって思ったのに…一緒に泣いて、笑って、ケンカして…同じ時間を過ごしていくうちに、積み重ねていくうちに、みんながかけがえのない存在になって…私の人生に、奇跡が起きた」。千里は、泣きじゃくりながら兄弟たちに礼を言った。そんな千里に、猛は、どこにいってもオレたちはこれからもずっと家族だ、と告げ…。(|)

もどる
0.アタシんちの男子 TOP

(C)フジテレビジョン